鎌倉殿の13人#19「果たせぬ凱旋」

源平合戦とそれにまつわるエピソードの多くは、「知られた」主人公が担っていて、義経とその一行もそうなのだが、今回の物語はどうやら、そこにはスポットライトはあまり当たらないらしい。

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当たり前だが、主人公は北条義時であり、鎌倉幕府の執権、物語の主軸は後半戦の幕府成立後にあり、今はその「助走期間」に過ぎないのだろう。真田丸で最大のクライマックスが大坂の陣であったように。

義経は結局、権力者に翻弄されて、踊らされて、政争の具で終わるのだろうか。来週は奥州への逃避行が観られそうだが、ひょっとしたら長澤まさみのナレーション一発でそれも片付けられる可能性もある。

【評】シン・ウルトラマン

(ネタバレあり)

早速観てきた。シン・ゴジラでの「衝撃」を知っている我々にとっては、ある意味では「期待通り」の仕上がりだったのではないか。そして、オリジナルへのリスペクトもきちんと表現された良作だったのではないか、とは思う。

神永が冒頭で少年を助けに行くシーンと、ウルトラマンの「降着」がシーンとして被ったとき、多くのオールドファンは、ここが「合体」のシーンだと感じたはずだ。神永の死亡シーンも一瞬だがきちんと描かれている。そして、その後の現場作戦指揮所での一部始終はシン・ゴジラの作戦本部を彷彿とさせる。

過去の「空想特撮」に過ぎなかった作品を現代版に焼き直すということは、つまりこういうことだ、と提示したシン・ゴジラにおける政治偶像劇も、きちんと織り込まれている。どちらかというと、政治偶像劇が中心にあったシン・ゴジラと比べればそれは「控えめ」ではあるのだが、「外星人」が襲来した場合のシュミレーションとしては面白い。「政府の男」としか描かれていないけど、竹野内豊の存在感はさすがだな、と思った。

敢えて、難癖をつけるとすれば、山本耕史のメフィラスが、どうも大河ドラマや真田丸とキャラクターが重なってしまって、仕方がなかった。もう少しキャラクターをブレさせた演じ分けは欲しいところ。加えて、ラストパートのゼットンは、あそこまで巨大化させて「難敵」として描くよりも、もう少しウルトラマンと等身大にして、戦闘に現実味を持たせても良かったとは思う。

あとは、作品を貫く「思想」とか「メッセージ」のようなものが、最後のパートに「凝縮」されすぎていて、1回で読み解けなかった。なぜ、「禍威獣」はこの国にしか出現しないのか。どうして、「禍威獣」は出現するのか。そして、ウルトラマンはなぜ降着したのか。其の辺を再度読み解く試みはしたいと思う。