【書評】恋愛の方程式って東大入試よりムズい

読んだ。

はるか昔の記憶だけど、東大入試は「正解のある問題」で、社会人生活は「正解のない問題」であり、正解のある問題で優秀な成績を取れなかった奴が、正解のない問題で優秀な成績を取れないのは当たり前である、という話があった。

要は、東大卒は何故に社会に出ても優秀なのか、という話だったのだけど、同じロジックで言えば、「正解のない問題」である恋愛が東大入試より難しいのは当たり前だな、というのが読む前の印象だったのだけど、読んでしまえば、スッと読める非常に良い本だったと思う。

自分なりの解釈や、回答、見解はあるにせよ、著者の意見もこの本で追加インストールしておけば、人生の選択肢の幅はきっと、広がるんじゃないだろうか。正解のない問題への向き合い方の唯一の方法とは、結局「自分の引き出しを増やす」しかないと思うから。

【書評】遅いインターネット

著者が言う所の「遅いインターネット計画」には全面的に賛同はする。だが、この本は何か「片手落ち」な感じがする。何かが足りない。

一番引っかかったのは冒頭のリオ五輪のセレモニー。著者は、日本が過去の栄光でしか自国を語ることができなくなった、と嘆く。確かに、ドラえもんや、マリオであったり、そこに安倍晋三が乗っかってきては嘆きたくなる気持ちも解る。だが、土管から安倍晋三が出てきた後に、描いたセレモニーは日本のテクノロジーを語るものではなかったのか。どうして、そこに一切触れていないのかわからないし、何にせよ、冒頭の君が代の演奏は、スタジアム全体に脱帽と起立を求めつつも、日の丸がフィールドに描かれる、というある意味衝撃的なものだった。何か、自分に都合よく物事を切り取っていないか。

一方で、インターネットが「早くなって」しまったのは事実だ。インスタンスな書き手と、それを受け取って潮目を読みつつ、石を投げ続ける受け手。そんな輩を撲滅する必要があるのは事実だと思う。

著者のオンラインサロンでこの本を受けてのその後が「補完」されることを期待したいと思う。

【書評】嫁へ行くつもりじゃなかった(岡田育)

web版で読んでいたしなーと思い、Kindle版が出るのを待ちつつ、結局買いそびれていて、ようやく読んだ。改めて再読、になるんだけど、やっぱり幸せな家庭が垣間見えてきていて、オットのオットー氏(仮名)はきっと幸せものなのだな、と思わせてくれる。個人的には、こういう結婚がしたいと思う。著者自身が私自身の思いと同じかどうかは知らないが、お互いが独自に自律走行していて、必要な時だけ、お互いに気を遣えるような関係。理想だよなー。
彼女のこのエッセイを読んでから結婚相手に求めるハードルがあがったような気がするのは気のせいか(笑)