Inherency

ディベートにおけるInherencyは、Solvencyと対をなすもので、Planがなければならない、という議論(肯定側の議論の根源)を形成するものの一つだが、初心者に教えるときはわかりやすく?「現状分析」などと教えてしまう。
翻って、リアルワールドの分析でディベート用語を用いて考えてしまう癖は往々にしてディベーターはついてしまうもので、not uniqueじゃん、などと同じように、inherencyがないよな…なんて頭の中で考えてしまう。ここでいうinherencyがない、っていうのは結局は「現状の問題がないよなー」と同義。 

IT系の仕事を生業としていると、新規システム開発のプロジェクトを起こす時にはどうしてもinherencyを考えざるを得ない。まったくの新規なら、そこにinherencyがない限りはプロジェクトは起きてこないわけだが、リプレースの場合は少々趣が異なる。「今のままで何が悪い」という議論を看破する必要がある。耐用年数を遥かに過ぎて、なお運用が続けられ、なおかつ今も新規の顧客を取ってくる某システムの入れ替えを今やろうとしているのだが、

今のままでも客がとれるんなら今のままでもいいやん

という議論がどうも、看破できない。 そりゃ、今のシステムが開発された頃よりは余程システム開発の技術は進んでいるし、1企業、1顧客に対してサーバー1台なんて、効率を考えれば悪すぎるわけだが、どうも、その辺を「お金を出す」立場の人が理解していないんだよな。要するに。となると、その辺をしっかり説明する人が必要なわけだが、そういう人間がいない。というか、説明する、説明しないといけない、そう考えている人がそもそもいない。この辺、大人社会の不条理を感じる。昔の僕だったらとっくにぶちぎれてるな。たぶん。

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