ブロゴスフィアの終焉
最近、集合知の本をちびちびと読んでいて、「ブロゴスフィア」という単語を改めてしみじみと読んだ。blogを中心としたwww上の集合知。google先生に聞けばどかん、とあらゆるblogがひっかかってくる。ただ、blogを中心とした文化の「ブーム」は既にかなたへ行ってしまったような気がしていたのはどうやら僕だけではなかったらしい。
元々ブログは、ネットで書く「日記」として登場したのだけれど、我々はいつの間にかそれ自体に過剰な期待をしてしまっていたのかもしれない。日々の些細な出来事をそれなりの描写して、毎日のように他人に読んでもらうことに関して、何の見返りもなくてもそれにやりがいを感じ、一定の質を保った記事を継続して公開できるだけのモチベーションを内在している人は、それほど多くはない。ブログを書き続けることによって、金銭や名誉、ポジションなどといった目に見えるリターンを求めようとすれば、企業とのコマーシャルな連携を求めようとする動きが出てくるのは当然の流れだったが、それも(具体例は避けるが)、うまく行っているようには思えない。
個人の意見や独白と、商業的なインカムとの接点が、いかにもブログは中途半端で微妙なところがあり、その割には自発的なコミュニティ空間の形成には、非力である。TBやコメント機能はあるにはあるが、読者は広大なブログ空間をさまようのみであり、自分がまとまったコンテンツの発信者にならない限りは、入場券さえもらえないような状況にあったように思う。そして、その入場券をもらえる人はほんの一握りである。アメーバの有名人ブログの盛況は、発信者としての多くの我々には関係がないことなのである。
そう。発信者としての大部分はアメーバのようなところに属する人達ではない。blogは確かにコミュニティの醸成には不向きなメディアだ。だけど、それはいわゆる「商業blog」の話であって、僕みたいにwordpressを使って発信をしている人にとっては「形成しようと思えば」形成できるようなコミュニティの素地はあるのかもしれないとかすかな希望は抱いている。
そもそも論から言えば、コミュニティというのは、「ある目的」をもった人たちが集う場であって、そも自然発生的にできたりはしないものではないのか。アメーバだって、「芸能人が好き」という人たちのコミュニティにすぎない。となると、やっぱり風景は「変わり始めて」いるのかもしれないね。
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