コンビニ弁当
セブンイレブン騒動でコンビニ業界が喧しい。
■喜びの声
「商品を安く購入でき、消費者にとってメリットは大きい。今回の命令が一つのきっかけになってコンビニ業界全体に波及してほしい」。消費者団体「日本消費者協会」(東京都千代田区)は公取委の判断に喜びの声を上げた。
24時間営業のコンビニでスーパーのような「見切り販売」が始まれば、生活者の利便性は向上する。利用者の期待は大きい。
東京・丸の内のセブン-イレブンで買い物をしていた東京都品川区の男性会社員(27)は「安く買えるようになるのはうれしい。賞味期限が近くても、並んでいたら絶対安い方を買う」。千葉県柏市の会社員、石田一考さん(34)は「エコの面から考えても自由になった方がよい。店によって格差が付きそうなので、これからのコンビニの展開が興味深い」と話した。
セブン-イレブンは、弁当やおにぎりなどの商品を1日9回入れ替え、消費期限の数時間前に売り場から撤去するなど、安全な食の提供に努めてきた。一方、コンビニの店頭で売れ残った弁当などは1日1回業者が回収し、ごみとして焼却処分されてきた。
公取委が平成19年3月から1年間、約1100店で廃棄食品の原価を調べたところ、1店舗あたりで年間平均約530万円分。加盟店のオーナーによると、月間1・5~2トンの食品が捨てられているという。
「まだ食べられるものを捨てるのはもったいない。加盟店としては少しでも売って廃棄を減らしたい」。加盟店による労働組合の発足を目指す「セブン-イレブン経営者ユニオン準備室」の代表、池原匠美さんは、加盟店の再三の要請にもかかわらず、見切り販売を認めなかったセブン側の対応に憤りを隠せない。
池原さんによると、廃棄による損失は加盟店が負担。穴埋めのため、これまではアルバイトを減らし、オーナー夫婦が無理して働き、体調を崩すなどのトラブルが絶えなかったといい、「見切り販売で損失が縮小できれば、オーナーの負担も減る」と期待する。
■効果は?
セブン側はこれまで定価販売にこだわり、「ブランドイメージが低下する」と、見切り販売を事実上禁じてきた。見切り販売を行う加盟店には、フランチャイズ契約解除を示唆するなどして制限を続けてきた。
だが、加盟店の中には見切り販売を“強行”するオーナーもいて、オーナーらによると、すでに120~130店が値下げに踏み切っているという。
岡山県瀬戸内市の加盟店オーナー、藪木裕之さん(47)もそのひとり。セブン側の反対を押し切り、2年前から見切り販売を始めた。
売れ残りそうな弁当などを、消費期限の約5時間前に、半額にして売ったところ、年間約20トンあった食品ごみは約10分の1に減少。金額ベースで年間450万円ほどあった廃棄額は70万円に減るなど、ごみの削減効果は大きいという。
また、「8割ほどの客は見切り品でなく、新しく入荷した食品を買う」(藪木さん)といい、売り上げへの悪影響はなかったという。藪木さんは「セブン側からは計13回にわたり、見切り販売をやめるように言われたが、店を続けるためにはやむを得なかった」とし、「値下げの効果は大きい。早く認めてほしい」と訴えた。
■気をつけるべきは?
一方、問題点を指摘する声も。日本消費者協会では、見切り品の販売が「消費期限の改竄(かいざん)など、偽装表示につながらなければいいが…」と懸念。全国消費者団体連絡会(千代田区)は「消費期限の近い商品を、どのタイミングで食べるか、体調不良を起こさないよう、消費者個人が注意する必要がある」とした。
大阪市内のコンビニで買い物中の男性会社員(42)は「常に品ぞろえが豊富であることを当たり前としている消費者にも問題がある。便利さだけを求める風潮を改めないと」と話した。
確かに便利さだけを求める風潮を改めないと、なんていう意見は至極もっともに聞こえるし、もっともなんだけど。便利だから「コンビニエンス」なわけで。その辺はコンビニチェーンの努力なんじゃないのかねえ、って思うんだよね。トラックの搬入とか、流通の経路ももっとやりようがあるんじゃないのかな。違うのかな。
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