カミーユとクワトロを宇宙へ戻すため、アウドムラはヒッコリーへと向かっていた。カラバのベルトーチカ・イルマがアウドムラに合流するが、ロザミアのギャプランがアウドムラに襲いかかる。戦いに逡巡するアムロを見ていたカツは、無断でガンダムマークⅡで出撃をするのだった。
多くのキーとなる要素を含んだエピソード。その最たるものはおそらくは、クワトロ・バジーナこと、シャア・アズナブルとアムロとのダイアローグ。「何故、地球圏へ戻ってきた」という問いに対して、一度は「君を笑いに来た」と返すシャアだったが、再度の問いかけにララァ・スンの魂というフレーズを口にする。大海の波と漂う白鳥はララァ・スンのモチーフだが、それが本エピソードでも垣間見える。
ベルトーチカ・イルマは、ここから数エピソードに渡って様々な役回りを演じるが、その初期設定がこのエピソードで行われていると見ることが出来る。クワトロに対する印象であったり、アムロとの会話にもそれが見て取れる。
ロザミア・バダムは、本エピソードで撃破された後、物語後半で再度登場するが、ご承知のようにキャラ設定が変更される。(それは単純な戦闘マシーンとしての強化人間から、エゥーゴのキーパーソンであるカミーユを籠絡するための刷り込みというニュータイプ研究所の再調整という体を取るのだが)おそらく、だが、この後に登場するフォウ・ムラサメを際立たせるためのロザミアの「退場」である。カミーユが脱出するロザミアの姿を視認して「女?」という言葉を口にするが、物語の最後の最後で様々な女性達の力を借りてシロッコに打ち勝つシーンへの伏線が始まっているのではないだろうか。
強化人間の癖か…?同じことを何度も。
ブラン・ブルターク(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
しかし耐えられないのです。あの人達が宇宙(そら)を落とすのは。
ロザミア・バダム(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
そうでありましょう?エゥーゴはコロニーを落として、地球の人々を根絶やしにするつもりの人たちです。コロニーが落ちる光景、あれは宇宙が落ちてくるようなもの。
ロザミア・バダム(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
アムロのところへやって良かったよ。思った通り、カツを連れ出してくれた。
ハヤト・コバヤシ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
俺にとっては、シャア・アズナブル以外の何者でもない。
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
シャア…何故地球に戻ってきたのだ…?
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
なぜ地球圏へ戻ってきたのです。
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
君を笑いに来た。そう言えば、君の気が済むのだろう?
クワトロ・バジーナ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
好きでこうなったのではない。それはあなたにだってわかるはずだ。
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
なぜ地球圏へ戻ってきたのだ!?
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
ララァの魂は地球圏にただよっている。火星の向こうにはいないと思った。
クワトロ・バジーナ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
カラバのベルトーチカ・イルマです。ヒッコリーはお待ちしております。
ベルトーチカ・イルマ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
よろしく、ナイス・キッド。
ベルトーチカ・イルマ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
俺に対してのあてつけなんだ。シャアもハヤトも。ガンダムを若い奴に使わせて、俺を無視して。
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
ヘレンヘレンでしょ?
ベルトーチカ・イルマ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
でもね…あの人には平和なインテリジェンスを感じないわ。
ベルトーチカ・イルマ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
クワトロ大尉はそんな人じゃない。本質的には優しい人だ。
アムロ・レイ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
カツめ…無理だ!実戦をやろうなんて!
カミーユ・ビダン(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
カツ!目を開いて!相手をよく見る!
カミーユ・ビダン(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
前後の見境もなく、攻撃するなんて!
カミーユ・ビダン(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
あれは…女?
カミーユ・ビダン(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
ロザミア・バダム…先走って敗れたか。強化人間、使い物になるのか?
ブラン・ブルターク(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)
どうしたのだ、アムロ君。こうして若者達も戦っている。あの時の血の騒ぎはなくなったのか?
クワトロ・バジーナ(機動戦士Zガンダム第15話「カツの出撃」)