宇宙世紀0079、地球から最も遠いスペースコロニー、サイド3が「ジオン公国」を名乗り、地球連邦政府に独立戦争を仕掛けてから8ヶ月余り。サイド7に地球連邦軍の新造戦艦ホワイトベースが入港する。それは、地球連邦軍の新型モビルスーツと、一連のプロジェクトである「V作戦」を担う中心艦であった。
この「V作戦」をキャッチしたジオン公国の「赤い彗星」ことシャア・アズナブル少佐はサイド7を偵察のため、麾下のモビルスーツ、ザクを3機、サイド7に送り込む。だが、連邦軍のモビルスーツを前に暴走したジーンは、連邦軍のモビルスーツを破壊し始める。それを目の当たりにしたサイド7在住の少年、アムロ・レイは、偶然にも連邦軍の最新鋭機「ガンダム」に乗り込み、ザクを2機撃破するのだった。
記念するべき第1話。物語の幕開けが巨大な「ザクのモノアイ」から始まるのが非常に印象的である。劇中で皆まで語られることはないが、登場人物の紹介と、それぞれの相関関係や、思いのようなものが随所に見て取れる。
私もよくよく運のない男だな…
シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム第1話「ガンダム大地に立つ!!」)
作戦が終わっての帰り道で、あんな獲物に出会うなどとは。
シャア自身は、この時ゲリラ掃討作戦からの帰路であった。具体的にどのようにホワイトベースと接触したかという点については劇中では描かれていない。もっとも、THE ORIGINでは「V作戦」そのものが事前にジオン側でも捕捉されていることは描かれているのだが。
シャア少佐だって、戦場の戦いで勝って、出世したんだ!
ジーン(機動戦士ガンダム第1話「ガンダム大地に立つ!!」)
ルウム戦役で5隻の連邦軍の艦艇を撃沈して、名を挙げたのが「赤い彗星」ことシャア・アズナブル少佐である。この台詞からも読み取れるように、シャアの伝説が末端の兵士までよく知れ渡っていたことがわかる。
しっかりしろ!君は強い女の子じゃないか!?
アムロ・レイ(機動戦士ガンダム第1話「ガンダム大地に立つ!!」)
ザクの攻撃の爆風をまともに受けた後の台詞。物語の終盤までを考えても、アムロがフラウ・ボウに心情のようなものをアピールしたのはここが唯一ではないだろうか。
こいつ…動くぞ!?
アムロ・レイ(機動戦士ガンダム第1話「ガンダム大地に立つ!!」)
冷静に考えてみると、完成品として存在していたのがガンダム1機だけとは、連邦軍の部隊も一体どんな計画で物事を進めていたのだろうか、と勘ぐってしまう。だが、その「完成品」は動かせる状態にあり、そして、出てきたのがこの台詞である。
認めたくないものだな…自分自身の、若さ故の過ちというものを…
シャア・アズナブル(機動戦士ガンダム第1話「ガンダム大地に立つ!!」)
シャアが呟くこの台詞は、語り継がれている台詞のひとつなのだが、この時の彼が言う「過ち」というのは具体的に何を指すのかは明示されていない。シャア自身も、この戦闘時に充分「若い」のだが、過ちが言葉通り自分自身のものを言うのであれば、それは何を言っているのだろうか。